Biko's News
 

2020/02/06

【農業科】命の授業

| by システム管理者2

1月21、22日の2日間にわたり、農業科1年生の生徒対象に『命の授業』が行われました。

 授業内容は、1時間目:命について 2時間目:鶏の外ぼうと進化 3時間目:と殺と脱羽 4時間目:解体 5時間目:消化器系生殖器系循環器系の理解 6時間目:片付け 以上の流れで実施されました。

 生徒は前夜からニワトリの『と殺』の事を考え登校した者が多く、朝のクラス内の話はニワトリの話題でいっぱいでした。「楽しみ」と言う生徒もいれば「怖い」と言う生徒もいてお互いの意見を言い合っていました。
それぞれの思いを持ち鶏舎に来た生徒は、まず「命とは何か?」を考えました。生徒からは「生きることは形として残り、死ぬことはその形が消えること。」と発言がありました。

 

 生きたニワトリを目の前にして特性を学び、生徒一人ひとりにニワトリが手に渡りました。生徒からは「可愛い」との声が多い中、表情や手は警戒した様子でニワトリを受け取っていました。

自由観察の時間の中では、ニワトリとふれあい名前をつける生徒も見受けられました。触れることにより五感を使い鳴き声やトサカの色や温かさや臭いを感じ、生きている事を実感したことでしょう。と殺の時間となるとさっきまで和やかだった雰囲気が変わりました。生徒の顔には笑顔はなく不安な顔や真剣な顔で取り組んでいました。ナイフを持つ「手」の様子は、震える「手」、覚悟を決めた「手」、気持ちを表した「手」のように感じました。と殺後、冷たくなったニワトリを解体し、肉の特性や内蔵の機能などを学びました。初めて触れ、初めて解体をし、初めて見る内蔵の仕組みを理解する難しい実習でしたが、全員最後までやり遂げることが出来、当初の目的を果たすことができました。



 農業を学ぶ上で避けては通れない、命をいただくという事。命をいただく事で私達の命がつながる。だからこそ命は「大切にしなければならない」という事をニワトリから教えてもらえた1日となりました。

【生徒が書いた作文の一文を紹介します。】

1CAさん: 学校へ行く時は、足が重く気味が悪かったですが、命の授業で命の大切さと儚さを知ることができました。私達が食べている肉も誰かが解体してくれいて、その人達の気持ちも少し理解できたと思います。この経験を知識と結びつけて、今後の人生に役立ていきたいです。

1CBさん:1時間目から6時間目まで見たことも無い実習の量で「この長い時間を使いと殺をするのは大変」と思いました。11羽渡されたニワトリは温かく、柔らかく、大人しく、とても可愛かった。そんな中先生がと殺のやり方を実演し私の番に回ってきた。震える手で100円ショップの小さなナイフを取り頸動脈に近づけた。体の仕組みを見るために湯引きをして解体した。殺してしまったという恐怖とは別に、命の大切さを知れる授業を受け、少しでも食に対して,命に対しての考え方が変われば良いと思った。

1DAさん:自分のニワトリを殺すギリギリまでなで続けた。あんなにも大人しかったニワトリをと殺するとき必死に抵抗した。だから絶対に失敗しないように、涙を堪え思いっきり頸動脈にナイフを入れ命を頂きました。命を頂いたからには、少しでも自分たちに役立て、無駄ではなかったと言いきれるよう、しっかり先生の話を聞いて最後まで綺麗に解体できました。


新米教員24歳:生徒が今まで考えた事も無かった事を体験を通して学び、自分の考えを見つけようとしている姿が印象に残っています。より一層、多種多様な生き方になる未来に必要な事だと改めて感じました。 

 


14:03 | 教 科